私たちの生活において
お金に関する悩みは尽きません。
家計のやりくりや突発的な支出
収入の減少などにより多くの人が一度は
「今、少しだけお金があれば…」
と感じた経験があるのではないでしょうか。
こうした状況で目に留まるのが
銀行や消費者金融
あるいはネット上の
個人間融資サービスなどが提供する
個人融資という選択肢です。
テレビCMやインターネット広告でも
・即日融資
・スマホで完結
・無利息キャンペーン
など魅力的なキャッチコピーで
多くの人にアピールされています。
消費者金融や銀行カードローン
スマホアプリ経由のP2Pレンディングなど
選択肢も多様化し
利便性はかつてないほど高まっています。
しかしこの便利さの裏には
多くのリスクと深刻な落とし穴が潜んでいるのです。
一見すると便利で安心なサービス
のように見えますが
金融リテラシーが十分でないまま
安易に個人融資を利用してしまうと
後戻りできない困難な状況に
陥ってしまうことさえあります。
今回の記事では
なぜ個人融資を利用すべきではないのか
根拠とともに具体的に掘り下げて解説します。
個人融資を利用するのは危険

個人融資を謳い集客している人間の
ほとんどは闇金業者です。
したがって申し込みするだけでも
個人情報漏えいのリスクがあり
取引すると悪質な取り立て被害に
遭ってしまう危険性もあります。
様々なリスクや注意点について
項目ごとに解説します。
高金利の落とし穴
個人融資による貸し付けは
貸し手側のリスクを反映して
金利が非常に高く設定されています。
貸金業法に基づく上限金利は年20%ですが
多くの個人融資は比較的安い業者でも
年で換算すると1000%越えが当たり前で
これが返済負担の重さです。
さらに借入額が増えると
それにつれて当然その負担も
雪だるま式に膨らんでいきます。
多くの人が見落としがちなのは
月々の返済額が小さいから問題ないと
錯覚してしまう点です。
しかしその背後で利息は着実に加算され
元金がなかなか減らないという
状況に陥ってしまいます。
金利は見えにくいコストです。
一度でも借金してしまうと
返済のたびに生活費が減り
やりくりがますます苦しくなっていき
精神的なストレスや生活の質の低下と直結します。
安易に借入できてしまう危険性
現代の個人融資はスマホ一つで申し込みでき
審査から融資実行まで完結する
利便性の高さゆえに
借りることの重大性を
感じにくくさせてしまいます。
これも大きな落とし穴です。
かつてのように対面での相談や
書面による契約が必要だった時代では
借入に対しそれなりに心理的な障壁が
存在しました。
しかし現代ではアプリなどを用いて
手軽なやり取りで数万円どころか
数十万円も手元に届く時代です。
利便性の代償として
お金を借りることの重みが
著しく薄れています。
本当に必要だったのか?「消費の錯覚」について
個人融資が利用される場面を考えてみると
どうしても今お金が必要という
緊急性の高いケースだけでなく
ちょっとした贅沢や衝動買いなど
実際には我慢できる出費であることも
多く見受けられます。
「今しか手に入らないから」「安くなっているから」
「みんなが買っているから」といった理由で
お金を借りてしまう行動は
いわゆる感情に任せた消費です。
借金することで
その場の欲求は満たされるかもしれませんが
返済が始まると
なぜあの時借りてまで買ったのかと
後悔することになります。
借りたお金で手に入れた商品や
サービスの満足度は
自己資金で購入したときと比べて
低くなる傾向があるという
心理学における研究結果もあります。
これは負債を背負ってまで得たものに
心からの価値を感じづらくなる
ということを意味しています。
借金は”慣れる”そして依存へ

一度でも個人融資を利用すると
借入する心理的なハードルは確実に下がる
ことになり危険です。
初めは一時的なピンチを乗り切るため
と思っていたのが次第に
足りなければ借りればいい
返せなくなったらまた借りればいい
といった心理で借金に頼る感覚がついてしまい
これを借金依存症と呼ぶこともあります。
特に危険なのは多重債務の状態に陥ることです。
1社目から借りたお金の返済に困り
2社目3社目からまた借入して返済を回す
いわゆる自転車操業に陥ってしまうと
抜け出すのは容易ではありません。
最終的には自己破産や債務整理といった
法的手続きに追い込まれるケースも
多く見られます。
借金依存と“自転車操業”の連鎖
お金に困っているとき
借金するという行動はある意味で
最も簡単な解決策に思えますが
ここに大きな落とし穴があります。
一度でも借金を経験すると
借りてしのぐという手段に頼るクセがつき
返済のため新たに借金する
自転車操業の悪循環に
陥ってしまうことが多いのです。
特に日本では銀行以外の消費者金融や
カードローンを複数併用する
多重債務者がいます。
借金が膨らむと利息だけで手いっぱいになり
元金が減らないという状態に陥ります。
このような状態になってしまった場合
債務整理や自己破産といった
法的手続きを取らざるを得ません。
信用情報に傷がつけば
クレジットカードの作成や
住宅ローンの審査はもちろん
場合によっては就職や賃貸契約にも
悪影響を及ぼすことがあります。
借金は救済策のように見えて
人生の選択肢を著しく狭める
リスクがあるため安易な借り入れは
非常に危険です。
精神的ストレスと人間関係への悪影響
借金は金銭的な負担だけでなく
精神面にも大きな影響を及ぼします。
常に返済しなければならない
というプレッシャーにさらされ
日々の生活に余裕がなくなってしまうのです。
特に返済が滞った場合
督促状や電話連絡などが
精神的に大きなストレスとなります。
それだけでなく
借金を隠そうとすることで
家族や友人との信頼関係にも
悪影響を与えることもあります。
・家庭内でのトラブル
・夫婦間の不和
・職場での信用失墜
など借金が人間関係に与える悪影響は
計り知れません。
たとえ借入の金額が小さくても
その背景にある精神的ダメージは
決して軽視できるものではないのです。
緊急時の“信用”を自ら削る行為

個人融資を安易に利用してしまうことにより
もっと深刻な緊急時において
本当に助けを求めるべきタイミングで
すでに信用を失ってい可能性があります。
たとえば病気や事故
突然の失業といった
予期せぬトラブルに見舞われた際
金融機関に新たな融資を申し込もうとしても
すでに借入残高が多ければ
審査に通らないこともあるため
注意してください。
信用情報は金融機関にとって
人柄の通知表とも言えるものです。
借りたことが記録に残るのは当然として
その返済状況や借入件数
延滞歴などもすべて
金融機関に共有されます。
一度でもこの信用情報に傷がつくと
回復するには何年もの時間と努力が必要になるのです。
本当に必要なときに借りられない状況を招いてしまう
たとえ現在の借金が少額であっても
それが信用情報に記録されることで
将来的に大きな資金が必要となったとき
審査に通らないという事態が
発生する可能性があります。
住宅ローンやマイカーローンなど
人生の重要な場面で
資金調達が必要になった際
過去の個人融資利用歴が
ネックとなることも少なくありません。
すでに複数の借入があると
「これ以上は貸せません」と
断られるケースもあります。
その結果金利の高い業者や違法業者に
手を出してしまうことにつながり危険です。
他の選択肢を知らないことが最大のリスク
個人融資に頼ってしまうのは
・他の選択肢を知らない
・他の方法を探す余裕がない
といった背景があります。
国や自治体だけでなく
NPO法人などが提供している
公的支援制度を利用すれば
無利子または低金利で
融資を受けられるケースがあり
これを知らない方も少なくありません。
たとえば日本では生活困窮者向けに
・緊急小口資金
・総合支援資金
といった制度が存在します。
これらは収入が急減した人や
失業中の人に対し
数十万円単位の資金を
無利子または無担保で貸し付ける制度です。
しかも返済開始時期が延長可能で
条件によっては返済免除されることもあります。
また最近では副業や
クラウドワークスなどでスキルを活かし
短期的に収入を得る手段も増えてきました。
フリマアプリを使って家の不要品を売ったり
家計簿アプリを使って支出を見直したり
といった行動だけでも
数万円単位の資金繰りが可能です。
金融リテラシーの欠如と社会の責任

借入への依存が広がる背景には
日本社会における
金融教育の不足も挙げられます。
義務教育や高校課程において
・借金の仕組み
・金利の影響
・信用情報の大切さ
これらについて学ぶ機会がほとんどないのです。
その結果多くの人が
社会に出てから初めて借金を経験し
そのリスクに気づかないまま
利用を重ねてしまいます。
金融リテラシーが高い国では若いうちから
借金は最後の手段であることを徹底的に教育し
計画的な消費と貯蓄を重視する
文化が根づいています。
これに対し日本では
なんとなく借りても大丈夫
という空気感があり
金融機関もその需要を見越し
積極的に広告を展開しています。
これは決して健全な状況ではないうえ
むしろ危険です。
公的支援制度の存在を知らないまま借金に走る危険性
生活に困窮したとき
個人融資を頼る前に
まず検討すべきなのは
公的支援制度の活用です。
日本には
・生活福祉資金貸付制度
・緊急小口資金
・住宅確保給付金
・生活保護
などさまざまな
公的支援があります。
これらは基本的に
無利子または低金利であり
返済猶予も長く
生活を立て直すための支えとして
設計されています。
しかしそうした制度の存在や
内容を知らないまま
とにかくお金が必要という焦りから
安易に個人融資を利用してしまう人が
後を絶ちません。
これは情報格差が引き起こす
典型的な問題であり
社会全体の金融教育の不足も
背景にあると言えます。
借りる前に考える習慣を持つことの重要性
個人融資に頼る前に
・自分の支出を見直す
・収入を増やすよう努力する
・親族や知人に相談する
などできることはたくさんあります。
最も大切なのは借りる前に考える
という習慣です。
・本当に必要な支出なのか?
・支払いを待ってもらえる方法はないか?
・手元の資産で賄えないか?
・代替手段(副業、売却、支援制度)はないか?
こういった内容で自問自答することが
結果として自分の将来を守ることに
つながります。
個人融資は利用しない方がいい

大前提としてまず
借りないに越したことはありません。
短期の安心よりも長期の安定を選ぶべきです。
個人融資は今すぐお金が必要
という場面では手軽で即効性があり
有効な選択肢に見えるかもしれません。
しかしそれは一時的な困難を乗り切るために
個人融資から借り入れするのは
長期的目線でみると
生活を圧迫する要因
となることがほとんどです。
特に金融リテラシーが低いまま
無計画に借金を重ねることは
自分の未来を犠牲にしてしまいます。
・高金利による返済負担
・借金依存による精神的ストレス
・信用の毀損
・将来の選択肢の減少
これらすべては
短期的な安心と引き換えに
未来の自分を苦しめることになるのです。
重視すべきなのは
借りないで済む生活設計を
築くことです。
意識すべき大切なこと
本当に大切なのは
借りずに済むよう備える力と
借り入れ以外の手段を検討する知恵です。
個人融資から借りなくてもいいように
日頃から計画的な家計管理を心がけましょう。
必要であれば専門家に相談する習慣を持つことも
健全な金銭感覚を育てる第一歩です。
借りられるから借りるではなく
借りなくても生きられるを目指す
これこそが
これからの時代に求められる
真の金融リテラシーといえます。