「ソフト闇金」と名乗る業者は、これまで「ブラックでも借りられる」「即日融資」「在籍確認なし」などの言葉を使い、お金を借りたい人を直接集めてきました。
しかし、最近はソフト闇金という名称を使わず、生活支援や公的制度の情報を掲載しながら、サイト内で利用者へ資金を提供するサービスも見られます。
その代表例として気になるのが、次の2サイトです。
- ごはんサポ
https://gohansapo.com/ - てあてなび
https://teatenavi.com/
両サイトを闇金と断定できる証拠は、現時点では確認できていません。
ただし、公開されている利用規約やFAQ、申込画面を確認すると、一般的な情報サイトや無償の生活支援とは異なる、現金の提供と返済を前提にした仕組みが見えてきます。
今回の記事では、運営者の正体を決めつけるのではなく、なぜこの2サイトが怪しく見えるのか、そして従来のソフト闇金とは異なる集客モデルになり得るのかを検証します。
ごはんサポはどのようなサイトなのか
ごはんサポは、給料日前に食費が足りない人を対象にした「食費サポート」を案内しているサイトです。
公式FAQでは、1,000円から5万円を申し込み、給料日に返済する仕組みだと説明されています。消費者金融との違いについては、食費の一時的なサポートに特化し、返済期限が最大7日以内である点を挙げています。
利用規約では、サービスが行う「サポート」を利用者への一時的な資金提供、「返済」を利用者がサポート金額を返金することと定義しています。申込み後には審査も行われます。
さらに、申込画面では次の情報を入力させる構成になっています。
- 希望金額
- 返済予定日
- 氏名、住所、電話番号
- 職業と月収
- 勤務先名と勤務先電話番号
- 給料日
- 他社借入件数と借入総額
申込額は1,000円から5万円で、審査後に資金を提供し、指定した日に返済する形です。
名称は「食費サポート」ですが、公開ページから確認できる基本構造は、
審査をしたうえで現金を提供し、短期間で返済を受ける
というものです。
少なくとも、食品そのものを配るフードバンクや、返済を求めない給付型支援とは明確に異なります。
てあてなびは公的支援の情報サイトに見える
てあてなびは、生活保護、緊急小口資金、住居確保給付金、医療費支援など、公的制度を解説する情報サイトです。
トップページだけを見ると、生活に困った人が利用できる行政制度を探すためのサイトに見えます。実際に、生活福祉資金貸付制度や無料低額診療、高額療養費制度などの記事が掲載されています。
しかし、サイト内では「つなぎ資金サポート」も案内されています。
FAQによると、公的支援制度を申請しているものの、入金まで待てない人に1,000円から15万円を提供し、給料日や制度の入金日に返済してもらう仕組みです。利用には審査があります。
利用規約でも、「つなぎ資金サポート」を公的支援制度の入金を待てない利用者への一時的な資金提供と定義し、利用者からの返済を明記しています。
つまり、てあてなびは公的制度を紹介するだけのサイトではありません。
公的支援を探して訪れた人へ、サイト独自の資金提供サービスも提示しているのです。
てあてなびの利息と手数料は特に確認が必要
てあてなびの「特定商取引法に基づく表記」には、つなぎ資金サポートの条件として、次の内容が掲載されています。
- サポート金額は1,000円から15万円
- 手数料は3,000円
- 利息は1日3%
- 手数料と利息は振込時に申込金額から差し引く
- 返済は銀行振込
- 審査通過後に振込先を案内
また、事業者名は「てあてなび」、代表者は山添拓氏、所在地は東京都渋谷区代々木1-44と表示されています。
1日3%を単純に365日へ換算すると、年1,095%に相当します。
たとえば3万円を10日間利用する場合、サイトの表示どおりに計算すると、利息9,000円と手数料3,000円が差し引かれます。実際の振込額は1万8,000円となり、返済額が3万円であれば、受け取った金額との差は1万2,000円です。
短期間だから負担が小さいとは限りません。むしろ少額・短期の資金提供ほど、固定手数料が実質的な負担率を大きくします。
金融庁は、出資法上の上限金利は年20%であり、それを超える利息を伴う貸付けは罰則の対象になると注意喚起しています。
ただし、個別サービスが法律上の貸付けに該当するか、表示された条件が実際にどのように運用されているかは、契約内容や取引実態を含めて行政機関や法律専門家が判断する問題です。
この記事だけで「違法な闇金」と確定することはできません。
2サイトに共通する「情報記事から資金提供へ」の導線

今回、最も注目すべきなのは金利や名称だけではありません。
重要なのは、利用者がサイトへ入ってくる経路です。
従来のソフト闇金は、「ソフト闇金」「優良闇金」「ブラックでも借りられる」と検索する人を対象にしていました。
ところが、ごはんサポでは次のようなテーマの記事が掲載されています。
- 給料日前に食費がない
- 市役所や社会福祉協議会でお金を借りる方法
- 食費を節約する方法
- 急な入院で食費が不足した体験談
- 公的な生活資金制度
記事を読んだ利用者は、同じサイト内で食費サポートの申込みへ進めます。
てあてなびでも、
- 生活費が足りない
- 緊急小口資金を利用したい
- 公的制度の入金が遅い
- 医療費を払えない
- 借金の返済が苦しい
といった悩みに対応する記事が掲載されています。
社会福祉協議会の制度を解説する記事の末尾では、公的制度の入金を待てない人に向けて、1,000円から15万円の「つなぎ資金サポート」が案内されています。
これは、従来の闇金サイトとは大きく異なる導線です。
「闇金を探している人」ではなく「闇金を探す前の人」を集める
ブラックリスト状態にある人が新たな借入先を探す場合、「闇金」「ソフト闇金」と検索することは十分に考えられます。
そのため、ソフト闇金という名称を完全に隠せば、従来の利用者へ届きにくくなるという問題があります。
ところが、今回の2サイトのような構成であれば、最初から闇金を探している人を集める必要がありません。
対象となるのは、
給料日前の食費がない人
公的支援を申請しているが入金を待てない人
正規の借入れに頼る前に生活費を確保したい人
です。
この人たちは「闇金」を検索していなくても、「食費がない」「生活費が足りない」「緊急小口資金」「市役所でお金を借りる」などの言葉でサイトを訪れます。
そして、公的支援や節約方法を調べている途中で、サイト独自の資金提供サービスを知ります。
つまり、情報記事が単なる読み物ではなく、資金を必要としている新規利用者を見つける入口として機能する可能性があるのです。
生活支援の記事が信用を生み出す
この集客方法には、もう一つ大きな特徴があります。
サイトを訪れた直後から資金提供を宣伝するのではなく、先に公的制度、節約方法、フードバンクなどの情報を見せることで、生活困窮者を支援する中立的なサイトという印象を与えられます。
利用者は、
「公的制度を詳しく解説している」
「困っている人のことを考えている」
「一般的な消費者金融とは違う」
「闇金ではなく生活支援サービスだ」
と受け止める可能性があります。
その状態で「食費サポート」や「つなぎ資金サポート」を提示されれば、最初からソフト闇金を名乗る業者よりも警戒されにくいでしょう。
特に、てあてなびは公的支援制度の解説ページと独自の資金提供サービスが同じサイト内に存在しています。
行政が実施する制度と、サイト独自の有償サービスを利用者が混同しないよう、明確な区別が必要です。
ごはんサポがてあてなびを記事で紹介している
ごはんサポには、「てあてなびのつなぎ資金サポートとは?仕組みと注意点を解説」という記事も掲載されています。
この事実だけで、2サイトが同じ運営者や系列だとは断定できません。
一方のサイトが、類似サービスを比較・解説するために記事を掲載した可能性もあります。
ただし、両サイトには次のような共通点があります。
- 2026年に開設・更新されたページが多い
- 「貸付け」ではなく「サポート」と表現する
- 一時的に現金を提供する
- 利用者を審査する
- 短期間で返済させる
- 食費や公的支援に関する情報記事を掲載する
- 生活に困っている人を主な対象とする
- 利用規約で「資金提供」と「返済」を定義する
さらに、両サイトの利用規約は、最終更新日がともに2026年2月4日となっています。
これらは関係性を調べる材料にはなりますが、同一運営を証明するものではありません。
記事を読む側も、「似ているから同じ業者だ」と決めつけないことが重要です。
ソフト闇金の新しい集客モデルなのか
現段階で最も慎重に言えるのは、次の点です。
ごはんサポとてあてなびには、従来のソフト闇金とは異なる名称と外観がありながら、審査、資金提供、返済という貸付けに近い要素が確認できます。
そして、資金提供サービスそのものを検索上位に表示させるのではなく、食費、公的制度、生活困窮といった情報記事から利用者を集めています。
この構造は、
生活支援情報で新規利用者を集め、その一部をサイト独自の短期資金提供へ誘導する
という、新しい集客モデルとして見ることができます。
ただし、次の点は証拠がないため断定できません。
- 既存のソフト闇金が運営している
- 2サイトが同一系列である
- 過去の闇金利用者名簿を使っている
- 顧客情報を共有している
- 違法な取り立てを行っている
- 実際の契約条件がすべて闇金に該当する
今回追うべきなのは運営者への憶測ではなく、困窮者向けの情報記事と、返済を伴う資金提供が一体化している構造です。
利用する前に確認すべきこと

貸付けに近い資金提供サービスを利用する前には、最低でも次の点を確認してください。
まず、運営者の正式な法人名または個人事業者名、所在地、固定電話番号を確認します。
次に、貸金業登録番号の表示を探し、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で、名称、代表者名、住所、電話番号が一致するか調べます。
金融庁は、貸金業を行うには財務局長または都道府県知事の登録が必要であり、登録を確認できない業者からは借りないよう呼びかけています。
登録番号が表示されていない場合や、登録名とサイト名が違う場合には、運営者へ正式な商号と登録番号を確認する必要があります。
また、次の項目を書面で確認できない場合は、申込みを進めるべきではありません。
- 実際に振り込まれる金額
- 最終的に返済する総額
- 利息と手数料の計算方法
- 返済期限
- 遅れた場合の対応
- 個人情報の利用先
- 勤務先や家族へ連絡する条件
- 契約を取り消せる時点
- 貸金業登録の有無
サービス名が「支援」「サポート」「つなぎ資金」であっても、それだけで安全性や合法性が保証されるわけではありません。
まとめ
ごはんサポとてあてなびを、公開情報だけでソフト闇金や違法業者だと断定することはできません。
しかし、両サイトには審査後の資金提供と返済を前提にした仕組みがあります。
特にてあてなびでは、手数料3,000円、利息1日3%という条件が公開されており、契約前に法的な位置付けや実際の負担額を十分に確認する必要があります。
今回、最も注目すべきなのは、従来のソフト闇金のように「闇金」と検索する利用者を待つのではなく、食費や公的支援について調べている生活困窮者を情報記事で集め、資金提供へつなげている点です。
これは、ソフト闇金が名称を変えただけとは限りません。
闇金を探す人ではなく、闇金を探す直前の人へ先に接触する仕組み
と考えたほうが、今回の2サイトが持つ特徴を説明しやすいでしょう。
名称ではなく、現金がどのように渡され、いくらを、いつ、どのような名目で返すのかを見ることが重要です。
「生活支援」「食費サポート」「つなぎ資金」と書かれていても、返済を伴う以上、その経済的な実態と運営者情報を必ず確認しなければなりません。




